鶴見の東口で出会える史跡「市場村一里塚」
現在放送されている大河ドラマ、「どうする家康」をご存知でしょうか。
このドラマは徳川家康が家臣に支えられて天下を取るまでの物語です。
徳川家康が天下を統一し、300年にもわたる江戸時代の基盤を築きました。
その徳川家康が旅人の目印として設けたのが一里塚です。
今回は鶴見で出会える一里塚をご紹介します。
一里塚とは
一里塚とは先程もご紹介したとおり、旅人の道標となるものです。
その当時は一里ごとに塚が道の両サイドに設置されていて、榎の木が植えられていたそうです。
市場村一里塚は江戸から数えて5番目の東海道一里塚です。
一里が今では約4kmとされていますので、鶴見は日本橋から約20kmに位置していると言えます。
一里を歩くのには約1時間かかると言われています。
今は電車で日本橋から鶴見まで約45分もあれば十分につけますよね。
ですから、江戸時代には日本橋からこの市場村一里塚につくまでには約7倍もかかったと言えます。
鶴見在住の私としては、日本橋は近いように感じますが、江戸時代の人にとっては5時間もの長旅だったんだなぁ、と思うと毎日何気なく使用している電車がいかにありがたいかを感じました。
大切にされている市場村一里塚
現在、市場村一里塚は両サイドにはなく、横浜に向かって左側にのみ残っています。
榎の木もありません。
ですから、江戸時代当時のままの景色とは言えません。
それでも、現在では一里塚自体が残っていることがほとんどないので、非常に貴重な史跡ですよね。
しかも、この塚には説明板があり、公園のような敷地の中に置かれています。
私は一里塚は道にひっそり立っているだけだと思っていたので、こんなにも立派に保存されていることに非常に驚きました。
鶴見区には生麦事件の石碑もありますし、歴史的遺産を大切にしているんですね。
観光客が見に来るようなところではないかもしれませんが、歴史好きな私としては、歴史的遺産をこのように大切に保存している鶴見を誇りに思っています。
謎も残る市場村一里塚
公園のような敷地の中にある市場村一里塚。
ただ、その後ろに鳥居があるのです。
いろいろと検索してみましたが、この鳥居と一里塚の関係はわかりませんでした。
鳥居にもヒントになるようなことは書かれていないので、江戸時代からある鳥居をそのまま残しているのか、あとになって鳥居を立てたのかは不明なのです。
鶴見には歴史的なお寺や神社も多いのですが、その由縁がまったくわからない、というのは希少です。
私は神社や仏閣巡りが好きで、地元鶴見のお寺や神社もたくさん巡っていますが、こんなにも由縁がわからない鳥居は珍しいので、逆に惹かれてしまいました。
そして、由縁は不明なのにしっかりとお手入れされた敷地の中にある鳥居。
もしかしたら、この鳥居も江戸時代から多くの旅人を見守ってきたのかもしれませんね。
そう思うと、なんだか感慨深く感じます。
市場村一里塚で歴史を感じよう
市場村一里塚は観光名所のような派手さはありません。
いま人気の「映えスポット」でもありません。
しかし、江戸時代に設けられ、今でも残る一里塚は教科書には出てこない日本の歴史を感じさせてくれます。
日本史に興味のある方、お散歩好きな方はぜひ訪れてみませんか。
江戸時代から今まで、脈々と受け継がれてきた歴史を身を持って感じることができますよ。
エリア情報
市場村一里塚(いちばむらいちりづか)
住所: 神奈川県横浜市鶴見区市場西中町4
アクセス:京浜急行線「鶴見市場」駅から徒歩10分
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