川崎富士見に巨大な歯車!?「日本冶金工業歯車モニュメント」

京浜工業地帯発祥の地である川崎は、日本経済の発展を支えてきた工業都市。
すぐれた技術を持つ多くの企業の功績を知れる歴史的、文化的なアーカイブが多く存在します。
こちらのモニュメントもそのアーカイブのひとつ。
ステンレスのトップメーカーである「日本冶金工業株式会社」の主力設備として使われていた「プラネタリー熱間圧延機フィードロール減速機」の歯車です。
30年間にわたり活躍したのち老朽化のため、1996年に現役を引退し、1998年に一部が川崎市に寄贈されました。
その一部が現在モニュメントとして富士見公園に保存されています。
そのモニュメントは公園内?
川崎球場やテニスコート、プール、川崎競輪場や川崎競馬場もある富士見公園内。
日頃から地域の人に親しまれている公園です。
そのモニュメントは富士見公園の入口に設置されています。
最寄りのバス停からも見える位置にあるので、すぐに発見できるかと思いますよ。
モニュメントは白い柵に覆われていて、触れられないように保護されています。
そのため柵の外から鑑賞することが可能です。
近距離まで近づけるため、触れることができなくてもその迫力に圧倒されます。
川崎市の工業の歴史を振り返り、発展を記念して1998年に設置されたものです。
ものづくりの文化を再認識してもらうことや、次世代に継承することを目的に展示されました。
貴重な圧延機だった!?
正式名称は「プラネタリー熱間圧延機フィードロール減速機用歯車」。
巨大な2つの歯車は、高さ3m、厚さは1m50cm。それぞれの重さは28tと36tにもなるそうです。
素材は鉄で作られており、川崎市の工業の歴史を象徴するデザインが施されています。
この仕様の圧延機は、世界に16基しかないといわれているそのうちの1基だそう。
さらに、同方式としては世界最大規模を誇っているのだとか!
本体の「プラネタリー熱間圧延機」とは、厚さ150mmのステンレス鋼板を一度の圧延で薄く2.3mmに伸ばす機械のことだそうです。
フィードロールの鋼板を圧延機の入口のところで維持して、一定量送り込む役割を担っている部分であり、減速用に使われた歯車なんだそう。
機械に疎い私ですが、モニュメントの近くにある案内板を読んで、構造と歴史を理解できました。
川崎の街を象徴するモニュメント!
1966年から1996年まで川崎製造所(現在のYAKIN川崎)において稼働していた歯車。
当時はこの圧延機の導入によって、初めて同社内でのステンレス鋼一貫生産体制が確立して、生産性が飛躍的に向上し、大量生産が可能に!
その後、経済が成長するにつれて、ステンレス鋼の需要が急増し、生産量も増加していったそうです。
つまり、「プラネタリー熱間圧延機」というのは、日本の産業発展に大きく貢献した京浜工業地帯の中枢である川崎を象徴する、高度成長時代を支えた機械の一つなんですね。
モニュメントを通して、工業の街である地元の素晴らしさを改めて再認識することができました。
日本の産業を支えてきた歴史的価値のあるものとして、川崎市内に残り続けてほしいですね。
富士見公園を利用した際は、ぜひ一度モニュメントをみてはいかがでしょうか?
工業の都である川崎の姿を感じることができますよ!
エリア情報
日本冶金工業歯車モニュメント
住所:神奈川県川崎市川崎区富士見2-1 富士見公園内
アクセス:JR東海道線・京浜東北線・南武線「川崎」駅東口より臨港バス乗車、「教育文化会館前」下車 徒歩約1分

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