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里帰りした半鐘!川崎中島の「光明山遍照寺(こうみょうざんへんしょうじ)」

2023.08.26

川崎区中島に所在する「光明山遍照寺」。

江戸時代初期頃より続く、歴史のある古寺です。

数年前メディアで、第二次世界大戦中に没収された半鐘(はんしょう)が、約75年ぶりに里帰りを果たしたと報道され、注目を浴びました。

地域の人々の生活に寄り添うお寺として存在し、たくさんの参拝者の心の拠り所となっている「光明山遍照寺」。

今の季節、緑が多く夏の夕涼みにもぴったりなお寺を参拝してきたのでご紹介します。

江戸時代初期頃から続くお寺!?

「光明山遍照寺」は、比叡山延暦寺を総本山とする由緒ある天台宗の寺院です。

江戸時代に編纂された地誌「新編武蔵風土記稿(しんぺんむさしふどきこう)」によると、1642年に天台宗の僧である天海僧正(てんかいそうじょう)によって与えられた書物を所有していることが記されています。

また、お寺の墓誌には1649年に遷化した法印髙海によって開山されたと記載があるのだとか。

1945年の川崎大空襲の際には、寺にある多くの宝が焼失しましたが、当時の住職が本尊である「阿弥陀如来立像」を井戸へ避難させた功績により、今でも像が現存しているそうです。

これらの情報から、紆余曲折ありつつも長く続く寺院だということがわかりますね。

地域住民の心の拠り所に

敷地内にある木々から夕方の木漏れ日がさす時間帯にお寺を訪れました。

厳格な風格を保ちつつも現代では、願掛け地蔵や子育て地蔵、墓石などが地域住民の生活になじみ深く、親しまれています。

東海三十三観音霊場3番のお寺としても知られ、遠方からも多くの人々が訪れるそうですよ。

参拝する人との触れ合いを大切にするお寺で、祈りごとに寄り添ってくれます。

山門から墓域まで続く参道は、坂も階段もなく、平坦であるため、子どもや高齢者など誰でも気軽に参拝できて安心です。

里帰りした半鐘とは?

「光明山遍照寺」といえば、里帰りした半鐘が有名。

2019年8月に静岡県富士市内にある鉄工所で、現在の川崎市とされる「武州橘樹郡河崎領」の文字が刻まれた半鐘が発見されたというニュースが届きました。

高さ約64cm、最大直径約37cm、重さは約30kgの半鐘。

銅にスズや亜鉛を加えて鋳造した小型のつり鐘で、大きい梵鐘(ぼんしょう)に比べて小さいことからその名がついたとされています。

江戸時代に檀家さんの集まりから「光明山遍照寺」に寄進されたものだということが判明し、2020年の12月に里帰りを果たしました。

肉眼で観察したところ、断片的に「遍照寺」の文字を確認できたそうですよ。

本堂をよく観察してみると、窓部分が半鐘のようなモチーフとなっていて、いかに「光明山遍照寺」にとって半鐘が重要なものかがうかがえます。

実物をみることは叶いませんでしたが、モチーフや寺院の雰囲気から半鐘の鳴る様子を想像し、心が洗われた気分を味わえました。

以前紹介した、川崎区中島にある正岡子規の句碑が有名な「中島八幡神社」のすぐ近くにあるので、あわせて訪れるのもおすすめですよ。

ぜひ、心の拠り所で癒やされてみてはいかがでしょうか?

エリア情報

光明山遍照寺

住所:神奈川県川崎市川崎区中島2-12-10
アクセス:JR東海道線・京浜東北線・南武線「川崎」駅東口より臨港バス乗車、「中島交番前」下車 徒歩約2分
TEL:044-244-0661