川崎・八丁畷にある有名俳人の歴史的スポット「芭蕉の句碑」
川崎に歴史の教科書に出てくるような有名俳人にまつわるエピソードと隠れた名所があるのをご存知でしょうか?
かつての川崎は東海道の宿場町として栄えた町で、東海道五十三次のひとつでした。
市内にはそんな宿場町・川崎宿としての歴史的なスポットがいくつかあり、その多くは、にぎやかな繁華街や閑静な住宅街の中にひっそりとたたずんでいます。
いかにも観光地といったものではなく、地元の方にも知られていないような地域の穴場スポットもあったりします。
今回はそのひとつ、八丁畷(はっちょうなわて)にある「芭蕉の句碑」をピックアップ。
俳人として有名な松尾芭蕉のゆかりの地である八丁畷。
かつての川崎の歴史を感じられるスポットをご紹介します。
歴史としての八丁畷
川崎駅前からも近い場所に位置する京浜急行電鉄「八丁畷駅」。
この場所はさかのぼること江戸時代、川崎宿(現在の小川町付近から市場村までを指す)たんぼ道がまっすぐ八丁(約800m)ほど続いていたので八丁畷と呼ばれていたことからそのまま八丁畷駅と名づけられたそうです。
現在の線路沿いや駅前は新興住宅地のような雰囲気が漂っていて、旧東海道を感じる歴史的な香りはあまりしてこないのが正直なところです。
ただ、田んぼの中真っ直ぐ長い細道だったところから住宅が建ち並ぶようになった現在までの発展を想像すると、とても感慨深くなってきます。
そうした場所から数メートル歩いてみると、歴史的スポットの一角がみえてきます。
松尾芭蕉、弟子との最後の別れの地
あまりにも自然に通り沿いにひっそりとたたずむ「芭蕉の句碑」。
通りかかっただけでは見落としかねないほどマニアックなスポットです。
句碑のすぐそばにこの地の歴史が案内板に書かれています。
その内容とは、松尾芭蕉が元禄7年5月に江戸深川から郷里伊賀(きょうりいが)へと旅立ち、その帰路、川崎宿に立ち寄ったときに門弟たちとの別れに句を詠んだそうです。
八丁畷の今はなき「榎だんご」という店で芭蕉の見送りの俳句を詠みあい、芭蕉が次の句を返します。
『麦の穂をたよりにつかむ別れかな』(風にも揺れる頼りない麦の穂を頼って歩く旅立ちの別れであるよ)
芭蕉は同年10月に大阪で辞句の句をのこして、51歳の年齢で生涯を閉じたのでこれが関東での最後の別れとなったそうです。
それから約130年ほどあとに芭蕉の道跡をしのび、天保の三大俳人のひとりとして数えられた桜井梅室に筆を染めてもらい、記念の句碑が建てられたとのこと。
松尾芭蕉の足跡を伝えるスポットはほかにもいくつかあるものの、実際に句を詠んだ地に建てられた句碑は少なく、八丁畷はその数少ない貴重な場所なのだそうです。
遺産のひとつが地元川崎に眠っていることを知り、松尾芭蕉を身近に感じることができました。
8月19日は俳句の日!自作俳句を投句してみませんか?
「芭蕉の句碑」について書かれたすぐそばに、なにやら投句箱が設置されていました。
缶の中に投句用紙が入っていて、それに俳句を書き留めるのだそう。
松尾芭蕉が詠みのこしたこの句碑の前で自作の俳句を投句をしてみませんかというとてもステキな催しです。
初心者ながらに私もこの時の想いを俳句で詠みあげこっそりと投句してきました。
このあと俳句について調べてわかったことなのですが、8月19日は俳句の日なんだそうです。
お散歩がてらこちらに立ち寄って俳句を投句してみてはいかがでしょうか。
江戸時代の川崎の街並みを知り、ひと味違った視点から川崎の街を歩いてみることができますよ。
エリア情報
芭蕉の句碑
住所:神奈川県川崎市川崎区日進町11-9
アクセス:京浜急行電鉄「八丁畷駅」下車すぐ
TEL:044-200-3305
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