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地域の中学生によるアートトンネル!川崎渡田「天飛トンネル」

2021.10.06

みなさんは、秋といえば何を思い浮かべますか?
私は今年、芸術の秋を楽しみたいと思っています。

ここ川崎には、美術館や劇場にわざわざ足を運ばなくても、街のいたるところにアートが潜んでいるのをご存じでしょうか?

今回ご紹介するのはその中のひとつ。
川崎市内にある中学校の生徒たちがトンネルに描いたアート作品です。

私自身も学生の頃から利用していて、何度もくぐり抜けた思い出のある生活道路の一部です。

そんな地域に愛される「天飛(てんぴ)トンネル」のトンネルアートから感性を磨いてみませんか?

ローカル線「JR南武線」の支線をくぐるトンネルです

「天飛トンネル」は川崎渡田交差点から小田1丁目交差点間のJR南武支線の線路下にあるトンネルです。

1993年3月にトンネルが作られ、28年が経過しています。歴史の長いトンネルです。

老朽化したトンネルをアートトンネルに!

トンネルは一般的に暗くて怖いなどの悪いイメージがあり、利用者にとって昼夜問わず喜んで通行したいような場所ではないのがほとんどです。

そこで、地域の市立中学校の生徒が2003年と2004年夏にトンネル内歩道通路の壁にアートを制作しました。

写真はそのアート作品の一部です。
学生が描いたものとは思えないほどの完成度!

じっくり観察するのは意外にもはじめてでした。
描かれている対象物は川崎の街にちなんだものなのでしょうか?照明に映えてキレイです。

色鮮やかで大きな壁に、繊細に描かれたコントラストが際立つクオリティの高い作品になっています。

壁画作成当時の新聞記事には、「地域の宝物にしていきたい」という区役所談が掲載されるなど、まちづくりの取り組みのひとつとなっているようです。

アート作品でトンネル内が明るくなり、近隣住民からは安全・安心に貢献していると、喜ばれているそうです。

学生時代は毎日このトンネルを利用していましたが、当時警戒することもなく便利な近道として快適に利用できたのも、こうした素晴らしい街の取り組みが背景にあったからですね。

某映画のオープニングシーンで使われたロケ地でもあります

アートトンネルとしての取り組みが行われる以前、完成時から数年後にある有名な日本映画のロケ地として使用されました。
出演者が自転車に乗ってトンネル通路をかけぬけるカットがそのままオープニングシーンになっています。

完成時から映像にも映える作りをしており、急な下り坂から急な上り坂というトンネルの特徴的な傾斜が青春映画としてのその作品の情緒にぴったりです。

作品としても評価される生活道路が、市民の工夫で改修されながら現在まで残り続ける。

街の住みやすい環境作りに改めて感謝の気持ちと、これからも住み続けたいなと思いました。

今回ご紹介した地域住民に親しまれているアートトンネル。
無機質なトンネル空間にアートで彩りを加えたことで、子どもも大人も世代間を超えて楽しめるようになっています。

これからの季節、川崎で芸術の秋の楽しみ方を見つけてくださいね!

エリア情報

天飛トンネル

住所:神奈川県川崎市川崎区渡田4-4
アクセス:JR南武線川崎新町駅より徒歩約4分