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「きりん公園」と東寺尾中台の街を見守るおばあちゃんの店

2021.10.28

鶴見区の平和病院のほど近くにある「東寺尾中台公園」。遠くを見渡しているきりんがいるのがわかりますか?
きりんの正体はすべり台。すべり台を中心に遊具が2つ、ベンチが1台、水飲み場があるだけの小さな公園ですが、手入れの行き届いた樹木とプランターの花々に囲まれた癒しの空間でもあります。

小さな公園の元気は街の元気!

「きりんの公園」としてご近所に親しまれているこの公園には、午前中は小さな子どもを連れたお母さんたちが、午後は小学生のお兄ちゃんお姉ちゃんが集まって、人の姿がたえることがありません。
こちらの公園は都市公園法の区分ではもっとも規模の小さい街区公園というものにあたります。子どもの頃、毎日のように遊びに行った近所の公園がありませんでしたか?私はこうした街区公園のにぎわいが、その街がどれだけ元気かをはかる目安の一つだと思っています。

やさしいおばあちゃんのいる駄菓子屋さん

この公園に子どもたちが集まってくるのは、遊ぶためだけではありません。子どもたちの目的は道を一本挟んだところにある駄菓子屋「さとみ」さん。

小さなお店には昔ながらの駄菓子がぎっしりならんでおり、優しいおばあちゃんが一人で切り盛りしています。
いまはスーパーで駄菓子が買える時代ですが、私が子どもの頃は近所の駄菓子屋さんで買うものでした。家から歩いていける距離に2軒はあったと記憶しています。

大抵おじいちゃんやおばあちゃんが店番をしていて、10円のガムを一個買うと「10まんえ~ん」、三個買うと「30まんえ~ん」。このやりとりも駄菓子屋さんに通う楽しみの一つだったことを覚えています(笑)。

60年以上東寺尾中台を見守ってきた「さとみ」

「さとみ」が創業したのは今から63年前、おばあちゃんこと佐藤ハルさんが、二十歳でこの家に嫁いできたときからお店をはじめたそうです。

その頃はまだ「きりん公園」があるはずもなく、なんと、このあたりは谷だったとのこと。住宅地になっている現在の様子からは想像もできません。自分が住んでいる土地の歴史を知るっておもしろいですね。
「さとみ」のおばあちゃんは、60年以上にわたってこの街を見守ってきた、いわばこの街の生き字引ともいえる存在でした。

「さとみ」のお客さんは三代にわたって

さて「きりん公園」に集まった子どもたちは、めいめいお財布を握って、まず「さとみ」にやってきます。
真剣な顔でお菓子を選んでいる子どもたちを、おばあちゃんが優しく見守っています。私の娘がはじめて自分で買い物をしたのもここ。

お店には親子三代にわたって来ているお宅もあるそうです。おじいちゃんやおばあちゃんと孫が同じ店に通っていた思い出があるなんて、ステキですね。

お店はご自宅にもなっていて、毎年夏になると、おばあちゃんが自宅の周囲で丹精こめて育てている朝顔が咲いているのを、通りからも見ることができます。人にも街にも愛情を込めて丁寧に接する姿勢が、元気に咲く朝顔からも感じられます。
これからもずっと、子どもたちと東寺尾中台の街を見守ってくださいね。

「さとみ」は週に3日、午後2時から5時まで開いています。お一人で切り盛りしているお店なので、電話での対応が難しく電話番号はのせていません。
「きりん公園」に遊びにきて「さとみ」が開いていたら、「あ、今日はおばあちゃんがいる!」と思ってぜひ立ち寄ってくださいね。

エリア情報

東寺尾中台公園

住所:神奈川県横浜市鶴見区東寺尾中台34
JR京浜東北線、鶴見線、鶴見駅西口 徒歩約17分