歴史を感じながら散策できる 鶴見区「寺尾城址」
神奈川県内でお城と言ったらどこを思い浮かべますか?小田原城などは有名ですよね。でも、ここ鶴見にもお城があったことはご存知ですか?それは「寺尾城」です。
この「寺尾城」は現存しておらず、その姿は「寺尾城址」として残っています。ここは公園に加え、歴史を感じられる風景があります。今回はこの「寺尾城址」を散策してみたいと思います。
山城だったかもしれない「寺尾城」
この「寺尾城址」はJR京浜東北線鶴見駅西口よりバスで30分ほどのところにあります。閑静な住宅地の一角にあるため、注意深くみていないと見落としそうです。
まず目を引くのが、そのスペースの狭さです。お城と聞くと大阪城や名古屋城のような広い敷地にある大きな建物を思い浮かべますよね。しかし、この「寺尾城址」にはどう見てもそのような大きさの建物が建つほどの広さは見当たりません。少し気になって横浜市のホームページを覗いてみました。すると、このスペースの狭さから、「寺尾城」は天守閣を有するような大きな城ではなく、「砦」のような山城ではなかったかと考えられています。
この「寺尾城」は1436年ごろに信州の豪族諏訪氏によって築城されました。その後、1569年に武田信玄によって廃城したと伝えられています。残念ながら、今はもうその様子を見ることはできません。
でも、現存していたらどんな姿をみせてくれたのでしょう?想像が膨らみますね。
予言で馬術が上達した寺尾城主
「寺尾城」の持ち主には面白い逸話が残されています。それは5代目城主「諏訪右馬之助」の話です。
横浜市のホームページによると、この人は興味深いことに武士にもかかわらず馬術が下手だったそうです。しかし、それでは勇ましく家臣を束ねることができないので、寺尾城近くにある「寺尾稲荷(現在の馬場稲荷)」という神社に願掛けに行きました。
するとある夜、夢の中におじいさんが出てきて「あなたはいつも頑張って馬術の練習をしているので、上達のご加護が与えられるだろう」と告げられたそうです。ラッキーですね。
その後右馬之助は予言通りに馬術が上手くなり、右馬之助は相模衆の一家になるまで出世しました。頻繁に神社にお参りに行くと、ことが上手く運ぶのですね。もちろん努力も必要ですけれど(笑)。それにしても、夢のなかに出てきた予言で馬術が上達するなんて何とも不思議な話しですね。
城址があるのにその名が使われていない「殿山公園」
この城址は「殿山公園」という公園の敷地内にあります。そしてこの公園はその名の通り、殿山という山の斜面にあります。
「殿山公園」には、当時の雰囲気が味わえる工夫が随所に施されています。例えばこの石垣、なんとなくお城の石垣に見えませんか?
公園の中腹には「鶴見歴史の会」による「寺尾城の遺構」という案内板があります。これにより、当時の様子を垣間見ることができますね。
途中の会談にはこの日、ロウバイの花がきれいに咲いていました。
この公園はなぜか「寺尾城址公園」ではなく「殿山公園」と呼ばれています。全国には「小田原城址公園」のような城址名をつけた公園がたくさんありますよね。でも、この公園は城址があるにもかかわらず「寺尾城址公園」ではなく「殿山公園」と呼ばれています。なんだか珍しいですよね。
公園内には子どもが遊べるスペースと、ブランコ、すべり台、鉄棒が設置されていました。
また小さいながらベンチもあるので、まわりを散策したあとに休憩できます。
手洗い・水飲み場もあるので小さいお子さんを遊ばせる際には安心ですね。
散策もでき、お子様連れの方は子どもも遊ばせられる「寺尾城址」と「殿山公園」。
ぜひ訪れてみて、歴史の雰囲気を感じてほしいです。
エリア情報
寺尾城址
住所: 神奈川県横浜市鶴見区馬場3丁目15-1
アクセス:JR京浜東北線鶴見駅西口より川崎鶴見臨港バス01系統
「殿山バス停」下車徒歩5分
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