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路地で発見!川崎の文化財がみられる「石観音堂」

2022.08.19

川崎大師近くの観音二丁目にある「石観音堂」。

1665年(寛文5年)に近隣にある天台宗明長寺(てんだいしゅうみょうちょうじ)の僧によって開かれた、歴史のあるお寺です。

境内には、「霊亀石(れいかめいし)」といわれる手洗石(ちょうずいし)や「梅動独吟万句詠草塚(ばいどうどくぎんばんくえいそうづか)」などのモニュメントがあり、伝説として語り継がれる言い伝えから昔の川崎を知ることができます。

地域の人も知る人ぞ知る穴場的な歴史スポットで、川崎観音にまつわる伝説を学んできたのでご紹介します。

川崎の文化財のあるお寺

川崎駅より市営バスを経由して「観音二丁目川崎大師口」から徒歩約5分のところに「石観音堂」があります。

近くには観音通り商店街や児童公園があり、人が行き交う場にひっそりと佇んでいます。

江戸時代に刊行された「江戸名所図会」という地誌には、川崎大師のにぎわいについて「毎月十七日道俗通夜参籠す」と記されているほど、かつて盛んな土地だったそうです。

「潮音殿石観音」と刻まれた石碑に近付いてみると、東海道33観音霊場第7番札所、准秩父34観音霊場第23番札所と書かれていました。古くから残るお寺は霊場の名称でもあるようです。

見どころいっぱいの境内!

木製でできた趣のある山門をくぐると境内は緑が生い茂り、自然の豊かな空間が広がります。

小さな境内には石造りのモニュメントが立ち並び、神聖な雰囲気です。

一歩踏み入れれば、まるでタイムスリップしたかのような古き良き時代の魅力が感じられます。

山門から真っすぐ進んで奥には本堂があります。

「石観音堂」は石造りの如意輪観音(にょいりんかんのん)が本尊のようです。

いくつかの文化財が見られます!

境内には、一定時間に1万句の俳諧を詠んだことを記念して作られた「梅動独吟万句詠草塚」や、俳人茗荷坊の門人6人が観音にちなんだ句を詠んだことを記念して作られた「六人ー句碑」、道しるべや力石、供養塔などの石碑が置かれています。

ひとつ一つに言い伝えがあり、観音という土地の歴史を知ることができます。

手洗石の伝説とは?

山門をくぐり右手すぐにある「霊亀石」といわれる手洗石には、手洗石にまつわる有名な伝説が言い伝えられています。

不漁が続いた1733年(享保18年)頃のある日、地元の漁師が漁を終えて帰ろうとすると、急に船が動かなくなってしまったそうです。

船の下をみるとそこに大きな石があり、手洗石に手頃な大きさだったので、引き上げて石観音に奉納しようと考えましたが、その石はなかなか引き上げることができませんでした。

その時、2〜3匹の亀が現れて、漁師に力を貸してくれました。

そのおかげで手洗石をやっと引き上げることができ、奉納が叶い、豊漁になったということです。

昔から現代まで受け継がれている伝説から、川崎の観音という土地の歴史をみることができました。

昔の川崎に思いをはせませんか?

これからの季節、お子さんを連れて一緒に地域の歴史を学んでみてはいかがでしょうか?

歴史が苦手でも、伝説から知る地域の歴史は新しい発見があり、きっと理解できるはずですよ!

エリア情報

潮音殿石観音堂

住所:神奈川県川崎市川崎区観音2-16-3
アクセス:JR京浜東北線・東海道線・南武線 川崎駅東口より市営バス乗車、「観音二丁目川崎大師口」下車 徒歩約5分