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新川崎駅「無量院」で市内最古の庚申塔に触れて歴史を感じよう

2021.06.17

あなたの家の近くにはお寺ってありますか?
「うーんお寺なんてあんまり見かけないなぁ」
そんな人が多いのではないでしょうか!?

実は川崎市幸区にはたくさんのお寺があるんですよ。

意外にも身近なところにお寺が建っていて、驚かされることも。
しかもそのお寺には、実は歴史的に貴重なものがあったり…。

今回は、そんな身近なお寺のひとつ、「無量院」をご紹介します。
この無量院にも、意外と貴重なものがあったんです!

それは住宅街に突然現れる

「えっ!?ここお寺なの!?」
新川崎駅近くにある「夢見ヶ﨑動物公園」に、子どもたちと遊びに行った帰り道のこと。
自転車で住宅街の中を通っていると、突然目の前に重厚なお寺の門が現れたんです。

とても天気のいい日でした。真っ青な空の下にたたずむ、歴史を感じる大きな木製の門がとても美しく見えて、少し立ち寄ってみることにしました。

境内はちょっとした庭園もあり、意外と広々としています。
平日の午前中だったためか、私たち以外は誰もいません。
さっきまでいた公園の喧騒からあまりにもかけ離れていて、まるで別世界に迷い込んだような気分になりました。

とても綺麗に手入れをされた境内で、見学しながら歩くだけでもとても気持ち良かったです。

市内最古の庚申塔(こうしんとう)

住宅街の中にある小さなお寺ですが、実はこの無量院には市内最古の庚申塔(こうしんとう)があるんです。
庚申塔というのは石の燈籠のこと。
川崎市重要郷土資料に指定されているそうで、とても貴重なものだそう。

その庚申塔が庭園にある、と看板に書いてあったのでそちらへ向かってみました。
すると古い石燈籠がぽつん、とたっていて、その横には説明書きの看板もたてられていました。

「庚申」の由来は、「庚申信仰」という中国の道教の思想の一種だそうです。

60日ごとに「庚申」という夜が巡ってくるそうで、その夜に眠ってしまうと体から「さんし」という虫が抜け出して天に昇り、その人の罪を報告してしまうのだとか。
それを避けるために、庚申の夜は眠らずに健康長寿を祈願するそうです。
その礼拝の本尊として建てられたのが庚申塔だそうですよ。

昔の人の考えって面白いですよね。
自分の悪事がばれないように、眠らずにお祈りをするなんて!

庚申塔には「言わざる・聞かざる・見ざる」の三猿が彫り込まれていました。
私がぼーっと眺めているこの庚申塔に、昔の人が熱心に祈りをささげていたと思うとなんとも不思議な気分になりました。

700年の歴史あるお寺

この「無量院」は、第二次世界大戦による2度の空襲で大部分を焼失してしまい、歴史を物語る資料はほとんど残っていないそうです。

しかし、寺院内から出土した板碑に「文保二年(1318年)」と彫られていたそうで、少なくとも700年以上の歴史があることは分かっているそうです。

現在の境内は、戦後に客殿などを徐々に再建していき、焼失を免れた仏像や仏具を修理して作り上げられたものとのこと。だからとてもきれいだったんですね。

たまたま見つけて入ったお寺が、実は700年もの歴史があるお寺!?
しかも貴重な市内最古の庚申塔があったなんて…。自分でもびっくりです!

広々としていてとても気持ちのいい無量院。
ぜひお天気のいい日に、お散歩がてら立ち寄ってみてください。
人々の信仰の厚さと歴史の重みを、静かで澄んだ空気と共に感じることができますよ。

エリア情報

無量院

住所:神奈川県川崎市幸区小倉2丁目7‐1
電話番号:044‐588‐0660
最寄り駅:JR横須賀線新川崎より徒歩18分