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旧東海道の面影残る歴史あるスポット 鶴見「市場一里塚」

2024.11.22

今回、私が訪れたのは「鶴見市場」駅から徒歩すぐの市場一里塚。
ここは、江戸時代に旅人たちの道しるべとして重要な役割を果たしていた一里塚。

その貴重な歴史の“証人”が、京浜急行本線「鶴見市場」駅から程近い場所に今も静かに佇んでいます。
現代に生きる私たちに、さまざまな物語を語り聞かせてくれる場所を訪れてみましょう。

日本橋から五里目の歴史あるスポット

江戸日本橋から約20キロ地点に位置する市場一里塚は、かつての東海道五里目の目印でした。一里は約4キロメートルです。現代人の感覚では4、5時間の道のりですが、当時の旅人にとっては、一日の行程を考える重要な地点でした。

今では、地元の方に愛される場所になっているようで、お参りやお供え物をする地元の方がみられました。
東海道にはさまざまな歴史があり、そのどれもがとてもステキです。一つ一つに物語があり奥深いです。

重い荷物を積んだ商人たち、参勤交代で行き交う大名行列、伊勢参りの旅人たちなど、さまざまな人々がこの場所で一息つき、残りの道のりに思いを馳せていたのでしょう。
道に築かれていた塚は、当時の旅人の心の支えだったそうです。
現在は一方の石碑のみ​​が当時を伝えていますが、その静かな佇まいの中に、数百年の歴史が息づいているのを感じることができます。

近隣の住民の方の憩いの場としても親しまれています。
ついつい私も近くのパン屋さんでパンを買い、心地よい秋の風に煽られながらパンを食べてしまいました。
なんだかんだ30分ほど滞在してしまいました。

市場の名が伝える室町時代からの広がり

この地域が「市場」と呼ばれるようになったのには理由がありまして、 室町時代の天文年間に、この地で海産物の市場があったことから、「市場村」という地名が生まれました。

当時、この地域は海に近く、新鮮な海産物が集まり取引しやすい市場で栄えていました。
石碑の奥には小さな稲荷社が鎮座しており、地域の人々の信仰の場としても大切に守られています。赤い鳥居をくぐると、不思議とゆっくりと時が流れているような感覚に襲われました。

春には桜が咲き、夏は深い緑に包まれ、秋には紅葉が美しく色づき、冬には厳かな雰囲気が漂う。四季折々の表情を見せてくれる、心安らぐスポットとなっています。

参拝者の足音を耳にすると、かつてこの地で開かれていた市場のにぎわいが自然と思い浮かびます。その情景に想いを馳せると、この場所に息づく重層的な歴史を感じずにはいられません。
地域の商業的な繁栄の歴史に、さらに深く目を向けてみたいと感じました。

現代に生きる歴史的価値

時代が移り変わり、この周囲は住宅地として発展を遂げましたが、この一里塚は地域の人々によって大切に保存されています。

朝には近所の人々がジョギングコースとして利用し、昼には子どもたちが遊ぶ場となり、夕暮れには散歩道として親しまれるなど、多くの人々にとって身近な場所です。

また、地域の歴史学習の場としても活用され、地元の小学校では、社会科見学のスポットとして定期的に訪れており、子どもたちは江戸時代の交通システムや、当時の人々の生活について、この場所で歴史を学んでいます。

さらに、カメラ愛好家たちの間でも、東海道は重要な撮影ポイントとして知られ、休日には遠方からカメラを手に訪れる人の姿も見られます。

石碑の前に立ち、目を閉じれば、かつての旅人の足音が聞こえてきそうです。汗をかきながら休憩する商人、笑顔で言葉を交わす旅人たち、そして先を急ぐ飛脚の姿──まるで映画のワンシーンのように、当時の情景が目の前に広がるようです。

この一里塚は、ただ古い建築物ではありません。現代に生きる私たちに、旅の様子や当時の暮らしを静かに語りかけ、時代を超えて新たな視点を与えてくれる生きた歴史の証です。このような歴史的なスポットが大切に保存されていることは、地域の誇りであり、また未来へと受け継ぐべき貴重な文化遺産でもあります。

かつて何度も旅人たちが行き交ったこの場所で、江戸時代への小さな旅を楽しんでみませんか?。歴史の息吹を感じられるこの市場一里塚は、これからも私たちの心の拠り所として、大切に守り続けたいスポットです。

エリア情報

市場一里塚

住所:神奈川県横浜市鶴見区市場西中町4-8
交通:京浜急行本線「鶴見市場」駅 徒歩約7分
見学時間:24時間可能(ライトアップなし)
駐在車場:なし