街の記憶に残り、
心に残る住まいを創る。
「レイヤードブラウン様式」の思想。それは、あくまで“家”を創るという原点を大切にしたものでなくてはなりません。
そこには人の「人生」を包み込むという視点、日々の「生活」を豊かに演出するという視点が求められるのです。
“ハコ=BOX”としての美しさではなく、独創的で柔らかに人を包む“小宇宙=COSMOS”が生まれるような意匠。
人と時代、街、そして建物のもっと美しい関係、もっと密接な融和が、
その土地の風景として残り、人の心に残る住まいを築いていきます。
時が味わいと愛着を育む、
ディテールのデザイン。
階層を積み重ねるレイヤー、立体感の演出、フレーミングといった構成の美しさを支えるのが、ディテールのデザインです。たとえばタイル表面を釘状のもので掻き、その凹凸が豊かな素材感と陰影の美を与えるスクラッチタイル。あるいはタイルに山型の装飾を施したリブタイルの採用。さらには柱にアクセントを与える自然石の装飾、キャノピーに描かれたコーニス(壁面を区切る装飾的な水平帯)の意匠など。ひとつひとつディテールの色合い、手触り、焼きムラが、自然の素朴な素材感と手づくりの温もりを感じさせるものです。歳月とともに味わいを増す住まいは、こうした細やかなディテールのつくり込みから生まれるのです。
旧帝国ホテルのファサードに用いられたのをきっかけに、豊かな質感を表現する素材として使われ、多くの名建築を飾った。手づくりの風合いや、時間の経過とともに刻一刻と変化する色や雰囲気が暖かい。
木・土・石の温もりを伝え、人間が心で求める自然の優しさを表現するブラウン。いまに残る近代建築でもっとも多く使われる色合いを用い、時を超え人々に愛される存在を目指す。
積み重なる層は時の流れを表現
フレーミングが象徴性と重厚感を与える。
集合住宅のまさに顔というべきエントランス。ここを中心に「レイヤードブラウン様式」の思想が如何なく発揮されます。まずファサードの重厚感を印象づけるのが、大胆に貫かれた水平のライン。二重三重とまるで地層のように積み重なるブラウンのレイヤーは、建物に大きな安定感を生みだすのです。またエントランスを包み込むファサードは、垂直の「柱型」と水平に広がる「梁」が縦横の美しい軸線を描写。近代の名建築にも見られるデザインの力強さ、街角のシンボルとなるような象徴的な風景を描きます。この水平ラインとフレーミングの手法こそ、建物の存在感を生み、いつまでも住まう人の心に残る原風景となるのです。
時を超えて人々に愛される
空間をめざした立体感の演出。
温もりや人間性を豊かに実現した近代建築を手本に生まれる、ナイス株式会社のオリジナルデザイン「レイヤードブラウン様式」。これまで見てきた名建築が大切にした立体感の表現も、私たちが表現したかったもののひとつです。大きくせり出したキャノピーのデザイン、奥にしつらえられたエントランスドア、ディテールに刻まれた陰影・・・平板な直方体としての建物ではなく、奥深さと時間の流れを感じさせるデザイン、光と影の造形。それこそが時間を超えて愛されるような外観の豊かな表情を創るのです。